何のための制度か

住宅セーフティネット制度は、部屋を借りにくい人が民間の賃貸住宅に入りやすくするための仕組みです。

根拠になる法律は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律です。

長い名前なので、住宅セーフティネット法と呼ばれています。

法律で住宅確保要配慮者とされているのは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯です。

省令で外国人などが加えられているほか、自治体が賃貸住宅供給促進計画を作ることで、新婚世帯などを追加することもできます。

背景にあるのは、単身世帯の増加と持ち家率の低下です。

高齢者や低額所得者の賃貸需要が増える一方で、貸主の側には孤独死や残置物の処理、家賃滞納への不安があります。

その両方に手当てをして、誰もが賃貸住宅に住める状態を目指すのがこの制度です。

三つの柱で成り立つ仕組み

制度は大きく三つの柱でできています。

ひとつめは、セーフティネット登録住宅です。

貸主が、要配慮者の入居を拒まない住宅として都道府県・政令市・中核市に登録し、その情報が公開されます。

借りる側は、公開された情報を見て申し込みができます。

ふたつめは、居住支援法人と居住支援協議会です。

居住支援法人は、都道府県が指定するNPO法人などで、入居に関する情報提供や相談、見守りなどの生活支援、登録住宅の入居者への家賃債務保証といった業務を行います。

居住支援協議会は、自治体と不動産関係の業者、支援団体が連携する場です。

みっつめは、経済的な支援です。

専用住宅や居住サポート住宅の改修費への補助と、入居者の負担を軽くするための補助があります。

家賃の補助が出る条件

住まいのお金という観点でいちばん気になるのは、家賃の低廉化補助だと思います。

国土交通省の案内では、この補助は次の条件で行われます。

  1. セーフティネット専用住宅、または居住サポート住宅であること
  2. 低額所得者が入居する場合であること
  3. 地方公共団体と国が協力して補助を行うこと

つまり、登録住宅なら何でも家賃が下がるわけではありません。

補助を実施しているかどうかは自治体ごとに違います

国土交通省のページには、補助を実施している自治体の一覧(令和7年8月時点)が掲載されています。

家賃だけでなく、家賃債務保証料などの低廉化と、専用住宅などへの住み替えに対する補助も同じ枠組みで用意されています。

詳しい条件は自治体に確認してください。

使うときの手順と確認項目

実際に部屋を探すときは、次の順で進めると迷いにくいです。

  1. セーフティネット住宅情報提供システムで、住みたい地域の登録住宅を検索する
  2. 居住サポート住宅を希望する場合は、居住サポート住宅情報提供システムでも検索する
  3. 自治体の住宅担当課か、都道府県が指定する居住支援法人に相談する
  4. 家賃や保証料の補助があるかを、自治体に確認する
  5. 契約前に、通常の賃貸と同じく家賃、保証会社、更新料などの条件を書面で確認する

登録住宅であっても、契約は普通の賃貸借契約です。

敷金や保証会社の扱いは物件ごとに違うので、契約内容は管理会社に確認するのが確実です。

制度は2025年10月に大きく改正されたばかりで、自治体の運用も動いている途中です。

最新の情報は、国土交通省のページと住みたい地域の自治体で確認してください。