名古屋・大阪・福岡でも募集家賃が上昇

家賃が上がっているという話は、東京だけのものだと思っていませんか。

アットホーム株式会社(分析はアットホームラボ株式会社)が発表した2026年6月の調査によると、賃貸マンションの平均募集家賃は、首都圏全エリア(東京23区・東京都下・神奈川県・埼玉県・千葉県)に加えて、名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市の計10エリアで、全面積帯が前年同月を上回りました。

これまで家賃の値上がりというと、東京23区や首都圏の話題として語られることが多くありました。

ですが今回の調査結果を見る限り、中部・関西・九州の主要都市でも、同じ時期に似た動きが起きていることが分かります。

更新のタイミングで家賃の値上げを打診されたり、部屋探しの最中に「思っていたより家賃が高い」と感じたりする場面が、今後は地方の主要都市でも増えてくる可能性があります。

この記事では、都市ごとの上昇の違いと、自分の住んでいる街の相場を確認するときの考え方を整理します。

住み替えを考えているなら、1分でできる住み替え・部屋探し診断で、今の自分の優先順位を整理してみてください。

5都市がそろって全面積帯で上昇

同じ調査では、京都市が3か月連続で全面積帯において過去最高値を更新したことも報告されています。

さらに、単身よりやや広めの「カップル向き」の面積帯は、5か月連続で全エリアが前年同月を上回りました。

単身向けの小さな部屋だけでなく、二人暮らし向けの部屋でも需要が底堅く、家賃が下がりにくい状況が続いているとみられます。

名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市という、いずれも人口の多い政令指定都市クラスの街で同じ傾向がそろって出ている点は、覚えておいて損はありません。

調査でいう「面積帯」とは、単身向けの狭い部屋から、ファミリー向けの広い部屋まで、間取りの広さで分けた区分のことです。

一般的に単身向き・カップル向き・ファミリー向きといった段階に分けて集計されます。

今回、単身向けの部屋だけでなく、二人暮らし向けの「カップル向き」が5か月連続で全エリア上昇したという点は、見落とされがちですが重要な情報です。

これから同棲や結婚を考えて部屋探しをする人にとっては、単身向けの相場感覚のまま予算を組むと、思っていたより家賃が高く感じられる場面があるかもしれません。

面積帯によって上昇のスピードが違うことを踏まえて、自分が探している間取りの相場を個別に確認しておくと安心です。

上昇の広がり方は都市によって差がある

同じ調査では、面積帯ごとの上昇率が3%以上だったエリアの数にも違いが見られます。

東京23区・東京都下・福岡市の3エリアは、4つの面積帯すべてで3%以上の上昇でした。

仙台市・埼玉県・千葉県・神奈川県・京都市・大阪市の6エリアは、4つのうち3つの面積帯で3%以上の上昇となりました。

一方で札幌市・神戸市は、4つのうち2つの面積帯で3%以上の上昇にとどまっています。

同じ「上昇している都市」でも、上がり方の幅は一律ではありません。

福岡市のように東京と同じ水準まで広がっている街もあれば、札幌市・神戸市のように一部の面積帯にとどまる街もあります。

自分が住んでいる街、あるいはこれから住もうとしている街が、どちらのタイプに近いのかを見ておくと、家賃交渉や住み替えの判断材料になります。

例えば福岡市のように東京23区と同じ水準まで上昇が広がっている都市では、更新のタイミングで家賃の引き上げを提示される可能性も、これまでより高くなっていると考えられます。

一方で札幌市・神戸市のように上昇が一部の面積帯にとどまっている都市では、間取りによって値上げの起こりやすさに差が出ている可能性があります。

同じ「上昇傾向の都市」という括りでも、実際の影響度は住む部屋の広さによって変わってくるということです。

なぜ地方の主要都市でも家賃が上がるのか

背景として指摘されているのは、建築費や資材価格の上昇によって新築物件の家賃水準が高くなり、それにつられて既存物件の募集家賃も上がりやすくなっているという構造です。

加えて、都市部への人口集中や、テレワークの定着による部屋探しの条件変化なども、需要側の要因として挙げられています。

こうした構造的な要因は東京だけに限られたものではなく、政令指定都市クラスの人口規模を持つ都市であれば同じように働く場合があります。

このあたりの詳しい仕組みは業者によって説明が異なることもあるため、断定的な言い方は避け、あくまで「そうした見方がある」という前提で受け止めておくのが安全です。

また、地方の主要都市は東京と比べて物件の供給数自体が少ない場合があり、需要が少し増えるだけでも募集家賃に反映されやすいという側面も指摘されています。

人口の流出入や再開発の状況によっても事情は変わるため、同じ「主要都市」でも街ごとに背景を分けて考える必要があります。

駅前の再開発が進んでいるエリアや、大学・企業の移転があったエリアでは、周辺相場が一時的に押し上げられることもあります。

こうした個別の事情は全国的な調査だけでは分からないため、気になる街があれば、その街の最近の動きも合わせて調べておくと理解が深まります。

自分の街の相場を確認するときのポイント

自分の住んでいる街の家賃相場が実際にどう動いているかを確認するには、次のような手順が役立ちます。

まず、不動産ポータルサイトの相場ページで、今の間取り・エリアの募集家賃を調べます。

次に、可能であれば直近1〜2年分の推移を見て、上がっているのか横ばいなのかを確認します。

そのうえで、更新のタイミングが近ければ、契約書に書かれた更新条件や、管理会社からの通知内容を必ず確認しましょう。

数字だけを見て「上がっているから住み替えるべき」「上がっていないから安心」と即断せず、更新料や引っ越しの初期費用も含めた総額で比べることが大切です。

比較するときは、できるだけ築年数や広さ、駅からの距離といった条件をそろえて見るようにしましょう。

条件がバラバラのまま相場を比べてしまうと、実際より高く見えたり安く見えたりして、判断を誤りやすくなります。

判断に迷う場合は、不動産会社など専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

まとめ

2026年6月のアットホーム株式会社の調査では、名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市を含む10エリアで、募集家賃が全面積帯で前年同月を上回りました。

京都市は3か月連続で過去最高値を更新し、カップル向きの部屋は5か月連続で全エリアが上昇するなど、上昇は東京だけの現象ではなくなっています。

一方で上昇の広がり方には都市差があり、自分の街がどちらのタイプに近いかを知ることが、今後の住まい選びの判断材料になります。

「家賃が上がっているらしい」という漠然とした印象のまま更新や住み替えの判断をすると、思っていた条件と結果がずれてしまうことがあります。

まずは自分の街の相場を確認し、条件をそろえて比べたうえで、更新や住み替えを考えるきっかけにしてみてください。