京都市で部屋を借りると、更新料が思ったより重いと感じる人は少なくありません。
この記事では、京都の更新料が全国と比べてどのくらい重いのかを国土交通省のデータで確認します。
あわせて、更新料をめぐる最高裁判決と、家賃が上がっている京都市で住み替え先を比べるときの計算方法を整理します。
京都の更新料は平均1.4か月分、調査地域で最も重い
国土交通省が平成19年6月に公表した「民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)」には、地域ごとの更新料のデータがあります。
日本賃貸住宅管理協会の会員の管理会社を対象に、平成17年4月から平成18年3月までに契約した物件について尋ねた調査で、有効回答は175社です。
主な地域の結果は次のとおりです。
| 地域 | 更新料を徴収している割合 | 更新料の平均 |
|---|---|---|
| 京都 | 55.1% | 家賃1.4か月分 |
| 東京 | 65.0% | 家賃1.0か月分 |
| 神奈川 | 90.1% | 家賃0.8か月分 |
| 千葉 | 82.9% | 家賃1.0か月分 |
| 愛知 | 40.6% | 家賃0.5か月分 |
| 福岡 | 23.3% | 家賃0.5か月分 |
| 大阪 | 0% | なし |
| 兵庫 | 0% | なし |
京都は徴収している割合こそ神奈川や千葉より低いものの、金額の平均は調査した16地域の中で最も高い水準です。
一方で、隣の大阪と兵庫は徴収割合が0%でした。
同じ関西の通勤圏でも、府県をまたぐだけで更新のたびの出費の前提が変わります。
国土交通省の平成19年公表の調査。いまの相場は契約書で確認
なお、この調査は約20年前のものです。
いまの相場をそのまま表すものではないため、地域の傾向をつかむ目安として使い、実際の金額は必ず契約書で確認してください。
全国の更新料の実態は、より新しい国交省の調査をもとに更新料がある世帯の割合を整理した記事でまとめています。
京都の契約は敷引きと1年更新にも注意
京都の賃貸契約で更新料とあわせて見ておきたいのが、敷引きです。
敷引きは、退去時に敷金から決まった額を差し引いて返す特約のことです。
同じ国交省の調査では、京都で敷引金を徴収している割合は51.0%、平均は家賃2.8か月分でした。
一方で礼金を徴収している割合は17.6%と、東京の57.5%より低くなっています。
つまり京都では、入居時の礼金は軽く見えても、住んでいる間の更新料と、退去時の敷引きでお金がかかる形の契約が見られるということです。
初期費用だけで比べると、住む間と退去時の差に気づきにくい
入居時の初期費用だけで物件を比べると、この差に気づきにくくなります。
敷金の扱いは用語事典の敷金のページもあわせて確認してください。
もう一つ確認したいのが、契約期間です。
全国では2年契約が一般的ですが、京都では1年契約の物件も見られます。
1年契約で更新のたびに更新料がかかる場合、同じ金額でも2年契約の2倍のペースで支払うことになります。
最高裁が有効とした京都市の1年契約
更新料が法的に有効かどうかは、京都の物件をめぐる裁判で争われました。
契約書に一義的かつ具体的に書かれていることが前提
平成23年7月15日の最高裁判決で判断された事案の一つは、京都市内の共同住宅の一室で、賃料は月額3万8,000円、契約期間は1年、更新料は賃料の2か月分にあたる7万6,000円という契約でした。
原審の大阪高等裁判所は、更新料条項を消費者契約法10条により無効と判断していました。
これに対して最高裁は、更新料条項が契約書に一義的かつ具体的に書かれていれば、更新料の額が賃料の額や更新される期間に照らして高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条により無効とはいえないと判断しました。
そのうえで、この1年契約で賃料2か月分という更新料についても、特段の事情があるとはいえないとしています。
ここから言えるのは、契約書に明確に書かれた更新料は、原則として支払う前提で考える必要があるということです。
逆に、契約書に更新料の定めがない場合や、書き方があいまいな場合は話が変わります。
更新の手続きをしないまま契約が続く法定更新と更新料の関係は、法定更新と更新料の記事で整理しています。
判決はあくまで一般的な判断の枠組みを示したもので、個別の契約が有効かどうかは事情によって変わります。
納得できない条項がある場合は、自己判断で支払いを止めず、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談してください。
京都市の家賃は最高値圏、更新料込みの総額で比べる
アットホーム株式会社が2026年8月27日に公表した「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向(2026年7月)」によると、京都市のマンションの平均募集家賃は全面積帯で前年同月を上回りました。
シングル向きとカップル向きは2015年1月以降の最高値で、シングル向きは4か月連続、カップル向きは6か月連続の更新です。
前月の6月分では、全面積帯がそろって3か月連続で最高値となっていました。
家賃が上がっている時期は、月々の家賃が少しでも安い物件に目が行きがちです。
ただ京都では、更新料の金額と頻度によって、家賃の差が総額では消えてしまうことがあります。
家賃5,000円の差が、2年総額ではほぼ消える例もある
国交省調査の京都の平均である1.4か月分を使って計算してみます。
物件Aは家賃7万円、1年契約で、更新料は家賃1.4か月分の9万8,000円とします。
物件Bは家賃7万5,000円、2年契約で、更新料は家賃1か月分の7万5,000円とします。
どちらも2年を超えて住み続ける前提で、入居から2年間に払う家賃と更新料を合計します。
| 項目 | 物件A(1年契約) | 物件B(2年契約) |
|---|---|---|
| 家賃24か月分 | 168万円 | 180万円 |
| 更新料 | 9万8,000円×2回=19万6,000円 | 7万5,000円×1回 |
| 合計 | 187万6,000円 | 187万5,000円 |
月々の家賃は物件Aのほうが5,000円安いのに、2年間の総額はほぼ同じになりました。
住み替え先を比べるときは、家賃と共益費に加えて、更新料・更新事務手数料・保証会社の更新料まで入れた総額で並べてください。
京都エリアでの住み替えを考えている方は、1分でできる住み替えの見直し診断で今の家賃と条件のバランスを確認してみてください。
京都で契約・更新する前に確認すること
京都で部屋を探すとき、または今の部屋の更新が近いときは、次の4点を確認しておくと安心です。
どれも契約書の条項で確かめる
1つ目は、更新料の有無と金額です。
家賃の何か月分なのか、定額なのかを契約書の条項で確認します。
2つ目は、契約期間と更新料を払うタイミングです。
1年契約か2年契約かで、同じ金額でも負担のペースが変わります。
3つ目は、退去時の敷引きの有無と金額です。
入居時に払う敷金のうち、いくら戻らない前提なのかを把握しておきます。
4つ目は、更新料以外に更新時にかかる費用です。
更新事務手数料、保証会社の更新料、火災保険の更新料が別にかかる場合があります。
火災保険に含まれる借家人賠償の補償については、借家人賠償責任保険のページで確認できます。
今の部屋の更新料を払って住み続けるか、住み替えるかで迷う場合は、住み替えの初期費用まで含めて比べる必要があります。
初期費用の目安は家賃の4か月から6か月分程度とされ、家賃7万円なら28万円から42万円ほどです。
多くの場合は更新して住み続けるほうが目先の出費を抑えられますが、住み替え先で家賃が下がり、そこに長く住む予定なら、数年で初期費用を回収できる可能性もあります。
まとめ
京都の更新料は、国土交通省の調査で平均家賃1.4か月分と、調査地域の中で最も重い水準でした。
同じ関西でも大阪と兵庫は更新料を取る割合が0%で、府県によって前提が大きく違います。
1年契約で賃料2か月分の更新料を有効とした最高裁の事案も京都市の物件で、契約書に明確に書かれた更新料は原則として支払う前提で考える必要があります。
京都市の家賃は最高値圏にあるため、住み替え先は月々の家賃だけでなく、更新料と敷引きまで含めた総額で比べてください。
契約内容の詳細は物件ごとに異なるため、気になる点は契約書を確認し、判断に迷う場合は管理会社や不動産の専門家に相談しながら進めてください。
近くの街と条件をそろえて比べる
同じ条件で見ると、街ごとの差が金額で分かります。