何のための給付金か

住居確保給付金は、仕事を失ったり収入が大きく減ったりして、家賃を払い続けるのが難しくなった人のための制度です。

根拠になるのは、2015年4月に施行された生活困窮者自立支援法です。

法律では、離職などで経済的に困窮し、いま借りている住宅の家賃を払うことが難しくなった人で、就職を容易にするために住居を確保する必要があると認められる人などが対象とされています。

生活保護とは別の制度で、住まいを失う前の段階で支える仕組みです。

貸付ではなく給付なので、あとから返す必要はありません

厚生労働省の資料では、就職活動を支えるための家賃費用を有期で給付するもの、と説明されています。

受け取れる人と条件

厚生労働省の案内をもとに、対象の要件を整理します。

  1. 主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内であること。または、本人の責任や都合によらず、収入を得る機会が離職・廃業と同程度まで減っていること
  2. 直近の月の世帯収入の合計が、市町村民税の均等割が非課税となる額の12分の1(基準額)と家賃の合計を超えていないこと
  3. 世帯の預貯金の合計が、各市区町村で定める額(基準額の6か月分、ただし100万円を超えない額)を超えていないこと
  4. ハローワークなどに求職の申し込みをして、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

自営業の人については、求職の申し込みに代えて、事業再生のための活動でよい場合もあるとされています。

世帯全体の収入と預貯金で見るのがポイントです。

本人の収入だけで判断されるわけではないので、同居家族の分も含めて確認しておいてください。

金額と期間の考え方

支給されるのは、実際の家賃額です。

ただし、市区町村ごとに定める上限があります。

この上限は、生活保護制度の住宅扶助額に準じて決められます。

そのため、同じ制度でも、住んでいる地域と世帯の人数によって上限は違います。

計算の考え方は次のとおりです。

  • 世帯収入が基準額以下の場合は、家賃額を支給(住宅扶助額が上限)
  • 世帯収入が基準額を超える場合は、基準額と家賃額を足した額から世帯収入を引いた額を支給(住宅扶助額が上限)

支給期間は原則3か月です。

求職活動などを続けている場合は延長でき、延長は2回まで、最長で9か月です。

もうひとつ知っておきたいのは、お金の流れです。

給付金は自治体から貸主や不動産仲介業者などへ直接支払われます。

自分の口座に振り込まれてから家賃を払う形ではありません。

申請の流れと確認すること

窓口は、お住まいの自治体の自立相談支援機関です。

福祉事務所を置く都道府県や市などが実施主体で、厚生労働省の資料(令和5年12月時点)では、全国907自治体に1,387の機関が置かれています。

相談から支給までは、おおむね次の流れです。

  1. 自立相談支援機関に相談し、要件にあてはまるかを確認する
  2. 離職や収入減少を示す書類、家賃がわかる契約書、収入と預貯金がわかる書類をそろえる
  3. 申請書を提出する
  4. 支給決定後、ハローワークへの求職申し込みなど、求められる活動を続ける

申請前に確認しておくとよいのは、次の3点です。

  • 契約書に書かれた家賃の額と、共益費や管理費が分かれているか
  • 世帯全員の直近の収入と預貯金
  • 滞納がある場合は、その月数と金額

要件や上限額は自治体ごとに違い、制度も見直されることがあります。

家賃が払えなくなりそうだと感じた時点で、早めに窓口へ相談してください。

詳しい条件は、自治体の担当窓口や専門家に確認するのが確実です。