埼玉で部屋を借りるときの初期費用は、ここ1年で確実に重くなっています。

この記事では、埼玉県の最新の家賃データと、さいたま市10区の一人暮らし向けの相場を使って、初期費用がいくらになるかを試算します。

あわせて、埼玉の賃貸契約の傾向と、初期費用のうち確認しておきたい項目を整理します。

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埼玉の家賃は1年で1割以上上がった

アットホーム株式会社が2026年8月27日に公表した「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向(2026年7月)」では、埼玉県の面積帯別の平均募集家賃は次のとおりでした。

面積帯マンション前年同月比アパート前年同月比
30㎡以下(シングル向き)72,297円12.7%増64,619円14.2%増
30〜50㎡(カップル向き)94,976円9.0%増76,303円3.9%増
50〜70㎡(ファミリー向き)121,337円6.0%増96,314円7.3%増

マンションのシングル向き・カップル向き・ファミリー向きは、いずれも2015年1月以降の最高値です。

シングル向きのマンションは、1年前より8,145円上がりました。

初期費用は家賃の何か月分という形で決まる項目が多いため、家賃が上がるとその分だけ初期費用も増えます。

敷金1か月、礼金1か月、仲介手数料1.1か月、前家賃1か月、保証料0.5か月の合計4.6か月分で計算すると、8,145円の値上がりは初期費用を約3万7,000円押し上げる計算です。

家賃の値上がりが初期費用に響く
家賃シングル向きマンション72,297円
1年の上昇8,145円、12.7%増
初期費用約3万7,000円増える

初期費用を家賃4.6か月分として計算

なお、総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の借家の1か月当たり家賃は59,656円でした。

調査の方法が違うため単純には比べられませんが、埼玉のシングル向き募集家賃はこれを上回る水準にあります。

さいたま市10区の一人暮らし家賃相場

埼玉の中でも、県庁所在地のさいたま市は区によって家賃に差があります。

ホームメイトが公開している1R〜1DKの家賃相場(2026年9月17日に確認)は次のとおりです。

区1R〜1DKの家賃相場
南区7.3万円
浦和区7.16万円
北区7.06万円
緑区6.98万円
大宮区6.93万円
西区6.82万円
桜区6.36万円
中央区6.32万円
岩槻区6.02万円
見沼区5.99万円

いちばん高い南区といちばん低い見沼区の差は1万3,100円で、1年間では15万7,200円になります。

さいたま市の高めの区と低めの区
高め
  • 南区 7.3万円
  • 浦和区 7.16万円
  • 北区 7.06万円
低め
  • 見沼区 5.99万円
  • 岩槻区 6.02万円
  • 中央区 6.32万円

南区と見沼区の差は年15万7,200円

浦和区や大宮区のように大きな駅を抱える区は家賃が高めで、見沼区や岩槻区は抑えやすい傾向です。

この相場は掲載物件をもとにした数字なので、時期によって変わります。

東京への通勤を前提に埼玉で部屋を探すなら、川口市の家賃相場の記事もあわせて比べてみてください。

埼玉の賃貸は敷金・礼金・更新料がそろう傾向

初期費用の内訳は、地域の慣習によっても変わります。

国土交通省が平成19年6月に公表した「民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)」では、埼玉と東京の一時金は次のような結果でした。

項目埼玉東京
敷金を取る割合65.5%70.3%
敷金の平均家賃1.6か月分家賃1.6か月分
礼金を取る割合60.7%57.5%
礼金の平均家賃1.0か月分家賃1.4か月分
更新料を取る割合61.6%65.0%
更新料の平均家賃0.5か月分家賃1.0か月分

埼玉は東京と同じく、敷金と礼金の両方を取る契約が多い地域です。

礼金と更新料の平均は東京より軽い一方で、更新料を取る割合は6割を超えていました。

入居時の初期費用だけでなく、2年後の更新でかかる費用まで見ておく必要があります。

埼玉の賃貸でかかる一時金
入居時敷金と礼金の両方を取る契約が多い
2年後更新料を取る割合は6割超
東京比礼金と更新料の平均は東京より軽い

ただしこの調査は約20年前のもので、いまの相場をそのまま表すものではありません。

実際の条件は募集図面と契約書で確認してください。

仲介手数料は借主から原則0.55か月分まで

初期費用の中で、ルールを知っているかどうかで金額が変わりやすいのが仲介手数料です。

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法第46条にもとづく国の告示で決まっています。

賃貸の場合、不動産会社が貸主と借主の双方から受け取れる合計は、家賃1か月分の1.1倍(消費税込み)までです。

さらに居住用の部屋では、依頼者の一方から受け取れる額は家賃の0.55か月分以内が原則とされています。

借主から1か月分を受け取るには、媒介の依頼を受けるときに借主の承諾を得ている必要があります。

仲介手数料の上限のしくみ
双方の合計家賃1か月分の1.1倍まで
借主から原則0.55か月分以内
1か月分依頼時に借主の承諾がある場合

見積もりで仲介手数料が1か月分になっている場合は、契約前にその根拠を確認してみてください。

承諾したうえで1か月分になっていること自体は違法ではないので、確認は金額の理由を把握するために行います。

詳しくは用語事典の仲介手数料のページで解説しています。

さいたま市で一人暮らしする初期費用の試算

家賃が高めの大宮区(6.93万円)と、低めの見沼区(5.99万円)で試算します。

条件は、敷金1か月分、礼金1か月分、仲介手数料1.1か月分、前家賃1か月分、保証会社の保証料0.5か月分、火災保険料と鍵交換費用をあわせて3万円とします。

項目大宮区(6.93万円)見沼区(5.99万円)
敷金6万9,300円5万9,900円
礼金6万9,300円5万9,900円
仲介手数料7万6,230円6万5,890円
前家賃6万9,300円5万9,900円
保証料3万4,650円2万9,950円
火災保険・鍵交換3万円3万円
合計34万8,780円30万5,540円
仲介手数料が0.55か月分なら31万665円27万2,595円

家賃の差は9,400円ですが、初期費用の差は4万3,240円になりました。

大宮区と見沼区の初期費用
大宮区
  • 家賃6.93万円
  • 初期費用34万8,780円
見沼区
  • 家賃5.99万円
  • 初期費用30万5,540円

家賃の差9,400円が、初期費用では4万3,240円の差

礼金なしの物件なら、ここからさらに家賃1か月分が下がります。

このほかに引っ越し業者の費用や家具家電の購入費がかかるため、準備全体では多めに見積もっておくと安心です。

初期費用を抑える比べ方と入居後の手続き

初期費用を比べるときは、家賃の安さだけでなく、次の3点をそろえて見てください。

初期費用をそろえて比べる3点
礼金礼金とフリーレントの有無
仲介手数料月数とその根拠
更新料2年以上住むなら有無と金額

入居後は14日以内に転入届

1つ目は、礼金とフリーレントの有無です。

物件ごとの設定なので、条件の違う候補を並べると総額の差がはっきりします。

2つ目は、仲介手数料の月数と、その根拠です。

3つ目は、更新料の有無と金額です。

埼玉では更新料を取る契約が多いため、2年以上住むつもりなら入居時の費用とあわせて考えます。

敷金は退去時に原状回復費用などを差し引いて返るお金なので、金額だけでなく精算の方法も確認します。

詳しくは用語事典の敷金のページで整理しています。

さいたま市に引っ越したあとは、住民基本台帳法にもとづき、転入した日から14日以内に転入届を出す必要があります。

窓口や必要書類は、さいたま市の案内で事前に確認しておくとスムーズです。

契約や金額の最終確認は、物件ごとの見積もりと契約書で行い、不明点は不動産会社や管理会社に直接確認してください。

近くの街と条件をそろえて比べる

同じ条件で見ると、街ごとの差が金額で分かります。