宇都宮市で部屋を探す人が増えている背景には、2023年に開業した芳賀・宇都宮LRTの存在があります。
この記事では、宇都宮市の間取り別の家賃目安と、LRT沿線でどれだけ家賃が上がっているのかを、LIFULL HOME'Sの調査データをもとに確認します。
沿線を選ぶかどうかで迷っている人が、家賃の背景を理解したうえで判断できるように整理しました。
宇都宮市の家賃相場、間取り別の目安
宇都宮市で部屋を探すとき、まず気になるのは間取りごとの家賃水準です。
ホームメイトの集計によると、宇都宮市の家賃目安は1Kで4.96万円、1DKで5.08万円です。
2K・2DKは4.55万円から5.04万円、ファミリー向けの1LDKは7.81万円、2LDKは9.56万円という水準になっています。
ワンルームだけやや高めの数字が出ていますが、掲載物件数が少ない間取りは数字がぶれやすいため、まずは件数の多い1K・1DKあたりを目安に考えるのが無難です。
ホームメイトの集計。駅距離・築年数・設備で上下する
これらはあくまで掲載物件をもとにした目安であり、実際の家賃は駅からの距離や築年数、設備によって変わります。
家賃だけでなく、共益費や管理費が別立てになっている物件も多いため、募集広告の総額表示を確認することも忘れないようにしたいところです。
芳賀・宇都宮LRTの開業とはどんな変化だったか
宇都宮市の家賃相場を語るうえで欠かせないのが、芳賀・宇都宮LRT、通称ライトラインの存在です。
芳賀・宇都宮LRTは2023年8月26日に開業した、宇都宮駅東口停留場と芳賀町の芳賀・高根沢工業団地停留場を結ぶ路面電車です。
国内で路面電車が新設されるのは75年ぶりとされ、開業時から大きな注目を集めました。
運行距離は14.6キロメートルで、2025年1月末時点の累計利用者数は700万人に達しています。
芳賀町には芳賀工業団地と芳賀・高根沢工業団地という2つの工業団地があり、自動車メーカーをはじめとする企業が拠点を置いています。
LRTは、これらの工業団地に通勤する人の移動手段を確保しながら、宇都宮市が掲げるネットワーク型コンパクトシティの軸として整備された経緯があります。
2023年8月開業。国内の路面電車新設は75年ぶり
新しい交通インフラができると、その沿線の暮らしやすさが見直され、賃貸物件への関心が変わることがあります。
宇都宮市でも、このLRTの開業が沿線の家賃相場に影響を与えたことがデータで確認されています。
LRT沿線の家賃はどれだけ上がったか
不動産情報サイトを運営する株式会社LIFULLの調査によると、LRT沿線の家賃は開業を境に上昇しています。
2025年1月時点の沿線平均賃料は7万6,117円で、開業時と比べて9.8%、前年同月比では12.1%の上昇となりました。
同じ時期の沿線外エリアの平均賃料は5万6,877円で、開業時比は1.3%、前年同月比は1.7%の上昇にとどまっています。
沿線と沿線外を比べると、上昇のペースにはっきりとした差が出ていることが分かります。
さらに、今後の延伸が計画されているエリアの平均賃料も6万7,675円となり、開業時比で6.1%、前年同月比で8.1%上昇しています。
開業済みの沿線ほどではないものの、延伸計画エリアにも上昇の動きが波及している状況です。
2025年1月時点、LIFULL HOME'Sの調査より
問い合わせ件数についても、2021年を100とした指数で見ると、沿線エリアは2023年に142.3、2024年に145.3まで伸びています。
一方、沿線外エリアの指数は2023年に96.7、2024年に100.0とほぼ横ばいで推移しました。
家賃だけでなく、部屋を探す人の関心そのものが沿線に集まっていることがうかがえます。
なぜLRT沿線の家賃が上がりやすいのか
新しい交通インフラが整備されると、その沿線は通勤・通学のアクセスが向上します。
アクセスが良くなったエリアには部屋を探す人の目が向きやすくなり、需要が増える場合があります。
需要が増えれば、貸主側も家賃を強気に設定しやすくなる場合があるため、結果として相場が上がっていく流れになりやすいと考えられます。
宇都宮市の場合は、芳賀町の工業団地に通う人にとってLRT沿線が通勤しやすいエリアになったことが、需要を後押しした一因と考えられます。
開業前から沿線での宅地開発やマンション建設が進められてきた経緯もあり、新しい物件が沿線に集中したことも相場を押し上げる要因になっている可能性があります。
ただし、これは宇都宮市に限った話ではなく、新しい鉄道や路面電車が開業した地域では同じような動きが見られることがあります。
沿線の家賃が上がる一方で、駅やバス停から離れたエリアでは従来の相場が維持されやすく、同じ市内でも立地によって値動きに差が出やすい点も押さえておきたいところです。
自分が検討しているエリアに大きな開発計画や交通インフラの新設予定がないか、事前に確認しておくと、将来の家賃の動きを考えるヒントになります。
LRT沿線に住むメリットと注意したい点
LRT沿線に住む場合、家賃は周辺より高くなりやすい一方で、得られるメリットもあります。
- 渋滞の影響を受けにくい通勤
- 中心市街地へ出やすい
- 車なしの暮らしも選べる
- 家賃は周辺より高くなりやすい
- 開業から数年で先が読みにくい
- 運行本数と終電の確認が要る
芳賀町の工業団地へ通勤する人にとっては、道路渋滞の影響を受けにくい移動手段が確保できる点が大きな利点です。
宇都宮駅から中心市街地への移動もしやすくなるため、車を持たない暮らしを考えている人にとっても選択肢が広がります。
一方で、開業からまだ数年しか経っていない路線であることには注意が必要です。
延伸計画の進み方によって、今後さらにエリアごとの家賃差が広がる可能性もありますし、逆に開発が落ち着けば上昇ペースが緩やかになることも考えられます。
運行本数や始発・最終便の時刻は生活スタイルに直結するため、内見の際にあわせて確認しておくと安心です。
家賃の高さだけで判断せず、通勤・通学にかかる時間や費用まで含めて、総合的に比較する視点を持っておきたいところです。
家賃を見直すときに確認したいポイント
いまLRT沿線に住んでいる人も、これから部屋を探す人も、家賃が適正かどうかを自分で確認する視点は持っておきたいところです。
更新のタイミングで家賃が上がる通知を受け取った場合は、周辺の募集家賃と見比べてみることが最初の一歩になります。
沿線であることが理由で家賃が上がっているのか、それとも別の要因があるのかを整理すると、管理会社との話し合いもしやすくなります。
沿線から少し外れたエリアや、開業前からある物件を選択肢に入れると、同じ宇都宮市内でも家賃の負担を抑えられる場合があります。
自分の家賃が周辺相場に対して高いのか低いのか気になる方は、1分でできる家賃払いすぎ度診断でチェックしてみてください。
契約内容や更新料の扱いは物件ごとに異なるため、最終的な判断をする前には契約書を確認し、不明な点は管理会社や専門家に相談することをおすすめします。
引っ越しを伴う住み替えを検討する場合は、敷金・礼金や仲介手数料といった初期費用もあわせて試算しておくと、家賃差だけで判断するよりも実態に近い比較ができます。
宇都宮市のように交通インフラの変化が相場に影響するケースは今後も出てくる可能性があるため、住んでいる街の開発計画に目を向けておくことも、家賃を見直すきっかけになります。
近くの街と条件をそろえて比べる
同じ条件で見ると、街ごとの差が金額で分かります。