何のための法律か

宅地建物取引業法は、土地や建物の売買や貸借を仕事として仲介する会社に免許制度を敷き、その業務にルールを設けた法律です。

第1条には、取引の公正を確保し、購入者等の利益を守ることが目的として書かれています。

不動産会社を名乗って営業するには、この法律の免許が要ります。

事務所が2つ以上の都道府県にあれば国土交通大臣、1つの都道府県だけなら都道府県知事の免許です(第3条)。

免許の有効期間は5年で、続けるには更新が必要です。

賃貸で部屋を探す人が実際に出会うのは、次の3つの場面です。

  • 仲介手数料の金額
  • 契約前の重要事項説明
  • 不動産会社の免許番号

どれも、この法律とその下にある告示や規則が土台になっています。

仲介手数料の上限はここで決まる

不動産会社が受け取れる報酬の額は、第46条で国土交通大臣が定めるものとされ、その額を超えて受け取ってはならないと書かれています。

具体的な金額は、昭和45年建設省告示第1552号という告示にあります。

賃貸の媒介(仲介)については、告示の第四に次のように書かれています。

  • 貸主と借主の双方から受け取れる報酬の合計は、家賃1か月分の1.1倍以内
  • 居住用の建物では、依頼を受けるときに依頼者の承諾を得ている場合を除き、一方から受け取れるのは家賃1か月分の0.55倍以内

借主が家賃1か月分を払う形になるには、借主の承諾が前提になっている、というのがこの告示の読み方です。

なお、2024年7月1日施行の改正で、長期の空家等の貸借について貸主から受け取れる報酬の上限を広げる特例(第九)が加わりました。

借主から受け取れる額の上限はこの改正でも変わっていません。

契約前の重要事項説明

第35条は、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が重要事項を書面で説明することを不動産会社に義務づけています。

説明するのは会社の誰でもよいわけではなく、宅地建物取引士でなければなりません。

賃貸では、契約期間と更新の有無、更新料、敷金の精算や原状回復の取り決めなど、あとから金額に響く項目がここで示されます。

契約したあとの確認ではなく、契約する前の説明なので、納得できない条件があればこの時点で立ち止まることができます。

詳しくは、用語事典の重要事項説明の項目も参照してください。

免許番号を見るときの手順

不動産会社の免許番号は、店舗の標識や広告、契約書類に載っています。

書き方は、国土交通大臣(○)第○号、または○○知事(○)第○号という形です。

初めての会社と契約するときは、次の順で確認してみてください。

  1. 契約書や重要事項説明書に書かれた会社名と免許番号を控える
  2. 国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、業種に宅地建物取引業者を選んで検索する
  3. 出てきた会社名と所在地が、書類の記載と一致しているかを見る
  4. 仲介手数料の金額が、告示の上限(居住用は借主から0.55か月分、承諾があれば双方合計で1.1か月分まで)の範囲に収まっているかを見る

免許番号が見つからない、金額が上限を超えているように見える、といった場合は、その場でサインせずに不動産会社に説明を求めてください。

説明に納得できないときは、書類を持って消費生活センターや専門家に相談するのが確実です。