何のための法律か

賃貸住宅管理業法は、賃貸住宅の管理を仕事にしている会社にルールを設けた法律です。

正式名称は、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律といいます。

2020年6月19日に公布され、柱は2つあります。

1つめは、賃貸住宅の管理業者に対する登録制度です。

オーナーから委託を受けて建物の維持や修繕、家賃や敷金の管理を行う事業が対象で、管理戸数が200戸以上の会社は国土交通大臣の登録を受けなければなりません

200戸未満の会社は任意登録で、登録しなくても営業できます。

2つめは、サブリース業者への規制です。

法律ではサブリース業者を特定転貸事業者と呼び、オーナーに対する誇大広告の禁止(第28条)、不当な勧誘の禁止(第29条)、契約前の書面交付と説明(第30条)を定めています。

こちらは業者とオーナーの間の契約を対象にしたもので、入居者の契約に直接かかわる規定ではありません。

登録業者に課される義務

登録を受けた管理業者には、いくつかの義務が定められています。

賃貸で暮らす人にかかわりが深いのは、次の3つです。

  1. 営業所ごとに業務管理者を1人以上置くこと(第12条)
  2. 預かった家賃や敷金などを、自分の財産と分けて管理すること(第16条)
  3. 管理業務の実施状況を貸主に定期的に報告すること(第20条)

とくに2つめの分別管理は、入居者が払った家賃や敷金が管理会社の運転資金と混ざらないようにするための仕組みです。

国土交通省の資料では、家賃や敷金を受け取る専用口座と、会社の固有財産の口座を分けて管理する方法が例として示されています。

なお、登録の有効期間は5年で、5年ごとに更新を受けないと効力を失います(第3条第2項)。

借主から見た意味

この法律は、直接には管理業者とオーナーの関係を整えるものです。

それでも、借主にとって意味がないわけではありません。

まず、家賃や敷金を預かっている会社が、法律にもとづく義務を負っているかどうかが分かります。

登録業者であれば、金銭の分別管理や業務管理者の配置が求められている、という前提で話ができます。

次に、管理会社の名前と登録番号を照合できることです。

登録業者の情報は国土交通省の検索システムで公開されているので、契約書に書かれた会社が実在する登録業者かどうかを自分で確かめられます。

ただし、敷金の返還や原状回復の責任を負うのは、あくまで契約の相手である貸主です。

管理会社が登録業者かどうかと、契約上の権利や義務は別の話なので、混同しないようにしてください。

管理会社を確認する手順

契約書や更新の書類が手元にあるときは、次の順で見てみてください。

  1. 契約書で、貸主と管理会社がそれぞれ誰になっているかを確認する
  2. 管理会社の名前で、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムを引く(業種は賃貸住宅管理業者を選ぶ)
  3. 出てきた登録番号が、契約書や管理会社の案内に書かれた番号と合っているかを見る
  4. 見つからないときは、管理戸数200戸未満で任意登録をしていない可能性もあるので、管理会社に直接聞く

登録の有無だけで会社の良し悪しが決まるわけではありません。

それでも、家賃や敷金の預け先がどういう立場の会社なのかを知っておくことは、退去時の精算や更新のやり取りで役に立ちます。

契約の内容そのものに不安があるときは、契約書を持って管理会社や消費生活センター、専門家に確認してください。