賃貸で暮らす人に関係する3つの場面
借地借家法は条文の数が多い法律ですが、賃貸で部屋を借りて住んでいる人が実際に出会うのは、だいたい次の3つの場面です。
契約を更新するとき
第26条が「建物賃貸借契約の更新等」を定めています。期間の定めがある契約で、期間が満了する前に貸主も借主も何も言わなかった場合、それまでと同じ条件で契約が続いたものとみなされる仕組みがあります。これを法定更新と呼びます。
貸主から更新を断られたとき
第28条が「建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件」を定めています。貸主の側から更新を断ったり解約を申し入れたりするには、正当事由が必要とされています。建物の老朽化の程度、貸主と借主それぞれがその建物を必要とする事情、立退料の申し出などを総合して判断されます。
借主の側から出ていくのに比べて、貸主の側から出ていってもらうほうが条件が重く設定されている、という点がこの法律の特徴です。
家賃の増減を求めるとき
第32条が「借賃増減請求権」を定めています。近くの似た物件の家賃と比べて明らかに高い、あるいは安いといった事情があるとき、貸主も借主も家賃の増減を請求できる、という条文です。
つまり家賃の値下げを求める権利は借主の側にもあります。値上げの通知を受けたときだけの話ではありません。
契約書より法律が優先される場合がある
借地借家法には、この法律の定めに反する特約で借主に不利なものは無効とする、という趣旨の条文が複数置かれています。
契約書にサインしているから何も言えない、と考えてしまいがちですが、実際には契約書の条項がそのまま通るとは限りません。ただし、どの条項が無効になるかは契約の内容や事情によって変わります。自分のケースがどうかは、契約書を持って消費生活センターや専門家に相談するのが確実です。
普通借家と定期借家の違い
同じ借地借家法の中に、更新がある普通の賃貸借と、期間が来たら必ず終わる定期建物賃貸借の両方が定められています。定期借家は第38条にあります。
定期借家は更新がないことが前提なので、更新に関する条文の扱いが普通借家とは違います。住み続けたい場合には、契約前にどちらの形式かを確認しておく必要があります。
