静岡市と浜松市、同じ県内でも家賃相場は違う
- 県庁所在地
- 行政機関やオフィスが集まる
- ものづくり産業が盛ん
- 工業都市の色合いが強い
どちらも新幹線が停まる政令指定都市
静岡県には政令指定都市が2つあります。静岡市と浜松市です。どちらも東海道新幹線が停車し、東京・名古屋・大阪へのアクセスがある都市圏ですが、実際の家賃水準には差があります。この記事では、区ごとの家賃相場を比べながら、静岡市と浜松市どちらで部屋を探すか迷っている人に向けて、比較するときに見ておきたいポイントを整理します。
同じ新幹線停車駅を持つ都市だからといって、家賃相場まで同じとは限りません。県内での転勤や進学、住み替えを考えるときは、市の名前だけで家賃の印象を決めてしまいがちですが、同じ市の中でも区によって相場は大きく変わります。まずは区単位での目安を押さえておきましょう。
静岡市と浜松市は、どちらも県内では大きな都市ですが、成り立ちや街の性格は異なります。静岡市は県庁所在地として行政機関やオフィスが集まる街、浜松市はものづくり産業が盛んな工業都市という色合いが強く、通勤先や働き方によっても住みやすいと感じるエリアは変わってきます。単純にどちらが安い・高いというだけでなく、自分の生活スタイルに合うかどうかも合わせて考えることが大切です。
静岡市の家賃相場、区ごとの目安
CHINTAI、2026年9月時点。築20年以内、管理費・駐車場代を除く
静岡市は葵区・駿河区・清水区の3区で構成されています。不動産情報サイトCHINTAIが公開している2026年9月時点の家賃相場(築20年以内の物件を対象に、管理費・駐車場代を除いて集計したもの)を見ると、区ごとの水準は次のようになっています。
- 葵区: 平均6.6万円前後
- 駿河区: 平均6.5万円前後
- 清水区: 平均5.0万円前後
葵区はJR静岡駅を中心に県庁・市役所も置かれている中心市街地で、駿河区も静岡駅南側から広がる商業・住宅エリアです。この2区は事業所や商業施設が集積している分、家賃相場も高めになっています。一方、清水区は歴史的に別の市だったエリアが2003年に静岡市へ編入された経緯があり、静岡駅からはやや離れています。港湾に近い工業・物流の街としての性格も強く、同じ静岡市内でも家賃を抑えやすい区とされています。同じ市内でも区によって1万円以上の差が出る場合があるため、静岡市で部屋を探す際は市全体の平均ではなく、区ごとの相場で比較するのが安全です。
浜松市の家賃相場、区ごとの目安
浜松市は中央区・浜名区・天竜区の3区で構成されています。同じくCHINTAIの2026年9月時点のデータでは、中央区が平均5.4万円前後、浜名区が平均5.75万円前後という水準でした。天竜区は掲載物件数が少なく、相場を算出できるだけのデータがまだ十分ではないようです。
中央区は浜松駅周辺を含む市の中心部で、JR東海道本線に加えて遠州鉄道も使える利便性の高さが特徴です。浜名区は2024年の区再編で誕生した区で、旧浜北区・旧細江町・旧引佐町・旧三ヶ日町などを含む広いエリアにあたります。区内でも駅からの距離や地域によって相場に幅があると見られるため、浜名区で探す場合は候補の駅を絞ったうえで確認するとよいでしょう。天竜区は山間部を多く含む地域で、車移動が前提になりやすい点も、都市部の区と比較する際に押さえておきたいポイントです。
単身向け1Kで比べるとどれくらい差が出るか
市ごとの平均では静岡市がおよそ4.7万円、浜松市がおよそ3.6万円
家族向けの間取りと単身向けの間取りでは、区ごとの相場の出方も変わります。同じくCHINTAIの2026年9月時点データで、単身向けの1Kに絞って比較すると、次のような目安になります。
- 静岡市: 葵区5.5万円前後、駿河区5.2万円前後、清水区3.4万円前後
- 浜松市: 中央区3.77万円前後、浜名区3.5万円前後
3区の平均で単純計算すると、静岡市の1Kはおよそ4.7万円、浜松市の1K(データのある2区の平均)はおよそ3.6万円となり、差はおよそ月1万円です。1年間で見ると12万円前後の差になる計算です。これは、通信費や電気代など毎月かかる固定費を数項目まとめて見直したときの効果に近い金額であり、住む区を変えるだけでも家計への影響は小さくありません。
ただし、これはあくまで各サイトの掲載物件をもとにした目安であり、駅からの距離や築年数、物件の設備によって実際の家賃は上下します。特に浜松市天竜区のようにデータ自体が少ない区もあるため、市全体の平均だけを見て判断するのは避けたほうがよいでしょう。契約を検討する際は、最新の募集家賃を必ず個別に確認してください。
なお、総務省の令和5年住宅・土地統計調査(住宅及び世帯に関する基本集計)によると、静岡県全体の借家家賃(家賃0円を除く実質市場家賃)の平均は52,621円で、全国平均59,656円より低い水準です。ここまで見てきた葵区や駿河区の家賃相場がこれより高く出ているのは、県全体の平均が築年数を問わない既存の借家すべてを含むのに対し、不動産情報サイトの相場は築20年以内の現在募集中の物件を対象にしているためです。県全体の平均と、これから探す物件の相場は性質が違う数字だという点は押さえておくとよいでしょう。
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家賃だけで決める前に確認したいこと
- 車移動が前提だと
- 駐車場代や維持費で差が縮む
- 通勤時間の短縮
- 交通費の削減で負担が変わらない場合も
静岡市と浜松市はおよそ77キロ。引っ越し費用も総額に入れる
区ごとの家賃相場に差があるとはいえ、家賃の安さだけで住む場所を決めるのはおすすめできません。特に静岡県内で市や区をまたいで比較する場合は、次のような視点も合わせて確認しておくと、住んでからのミスマッチを防ぎやすくなります。
- 勤務先や学校までの所要時間と、電車・バスの本数
- 車での移動が前提になるエリアかどうか、駐車場代を含めた総額
- 買い物や通院など、日常生活で使う施設までの距離
- 契約時にかかる初期費用や、更新料の有無
例えば家賃が月1万円安い区を選んでも、車移動が前提のエリアで駐車場代や車の維持費がかさめば、総額での差は縮まることがあります。反対に、駅近で家賃がやや高めでも、通勤時間の短縮や交通費の削減でトータルの負担が変わらない場合もあります。家賃という一つの数字だけでなく、生活全体でかかる費用で比較する視点を持っておくと、住み替えの判断がしやすくなります。
契約条件に関わる部分、例えば更新料の有無や管理費の内訳などは、物件ごとに違いがあるため、気になる物件が見つかったら契約書の内容を確認し、不明な点は管理会社や仲介会社に相談することをおすすめします。
また、静岡市から浜松市へ、あるいはその逆に移る場合、JR東海道本線の営業距離でおよそ77キロ離れており、同じ県内とはいえ近距離の引っ越しとは言い切れません。近いからと油断せず、区を決める前に引っ越し業者から見積もりを取り、家賃の差額と引っ越し費用を合わせた総額で比較しておくと、判断の精度が上がります。
まとめ
静岡市と浜松市はどちらも静岡県を代表する政令指定都市ですが、家賃相場には区ごとに差があります。静岡市は葵区・駿河区が6万円台、清水区が5万円前後、浜松市は中央区・浜名区とも5万円台という水準で、単身向けの1Kで見ると静岡市と浜松市の差は月1万円前後になる場合があります。
ただし、これらはあくまで現時点での目安であり、天竜区のようにデータ自体が少ない区もあります。県内で住み替えや部屋探しを考えている人は、市の名前で家賃のイメージを決めつけず、区ごとの相場と自分の生活動線の両方を確認したうえで、比較検討を進めてみてください。
近くの街と条件をそろえて比べる
同じ条件で見ると、街ごとの差が金額で分かります。