秋の引っ越しはなぜ安いのか。ミツモア調べで見る9〜10月の平均料金
引っ越しの費用は、時期によって大きく変わります。
見積もりサービスを運営する株式会社ミツモアが2026年8月に公表した調査によると、同社のサービスを通じて依頼された引っ越し見積もり約40万件をもとに、9〜10月の平均料金は単身37,600円、2人暮らし48,000円という結果になりました。
一方、2〜4月の繁忙期は単身50,600円、2人暮らし60,300円と、9〜10月よりも1万円以上高くなっています。
- 単身 50,600円
- 2人暮らし 60,300円
- 単身 37,600円(約26%安い)
- 2人暮らし 48,000円(約21%安い)
ミツモアの見積もり約40万件をもとにした全国平均
差を計算すると、単身では約26%、2人暮らしでは約21%、9〜10月の方が安いという結果です。
進学や転勤が集中する春の繁忙期を避けるだけで、同じような内容の引っ越しでも費用に差が出る可能性があるということです。
これから引っ越しを検討している人にとって、時期の選び方は費用を左右する要素のひとつといえます。
この調査は約40万件という規模の見積もりデータをもとにしており、単発のアンケートよりも実際の依頼傾向に近い数字と考えられます。
ただし、これは全国平均の数字です。
住んでいる地域や引っ越し先までの距離、依頼するタイミングによって、実際の見積もり額はここで紹介した平均値と異なる場合があります。
あくまで「秋は繁忙期より安くなりやすい時期」という傾向をつかむための目安として見てください。
9月末〜10月初旬は「第二の繁忙期」。安い時期の中にも山がある
ただし、9〜10月がまるごと安いわけではありません。
- 進学・就職・新生活
- 極端に高騰しやすい
- 下半期の人事異動や転勤
- 通常期より上がりやすい
どちらも依頼が集中すれば希望日が取りにくい
9月末から10月初旬にかけては、多くの企業が下半期に向けた人事異動や転勤の辞令を出す時期にあたります。
引っ越し業界の解説サイトでは、この時期を「第二の繁忙期」と呼び、2〜4月ほどの極端な高騰はないものの、通常期より料金が上がりやすい時期として扱っています。
つまり同じ9〜10月でも、月の前半・後半のどちらに引っ越すかで、体感する料金は変わってくる可能性があります。
平均値だけを見て「秋は安い」と思い込むと、実際に見積もりを取ったときに想定より高く感じることもあるかもしれません。
転勤に伴う引っ越しは、辞令から実際の引っ越しまでの期間が短く、日程を選びにくいケースも多いものです。
個人の都合である程度時期を動かせるなら、この山を避けて日程を組むことも選択肢のひとつです。
2〜4月の繁忙期が進学・就職・新生活のスタートに合わせた引っ越しで埋まるのに対し、9月末〜10月初旬の山は、企業の人事異動という別の理由で生まれています。
理由が違っても、依頼が集中すれば希望日の予約が取りにくくなる点は同じです。
転勤の予定が見えている場合は、辞令が出る前から候補の業者を調べておくなど、早めに動いておくと安心です。
引っ越しの初期費用がどれくらいか気になる方は診断でチェックしてみてください。
10月上旬がいちばん狙い目。価格.com調べの相場で見る
見積もり比較サイトの価格.comが公開している月別の相場データでは、10月上旬の費用目安として、単身(荷物少なめ)で約34,700円、単身(荷物多め)で約48,400円、2人家族で約73,400円という数字が示されています。
10月に入ってすぐの平日が比較的落ち着いた候補
10月上旬は、9月に集中していた転勤需要がひと段落し始めるタイミングにあたります。
同じ資料では、10月も中旬から下旬にかけて、次の転勤や生活の変化にあわせて需要が徐々に戻る可能性があると触れられています。
秋の中でも狙い目を絞るなら、10月に入ってすぐの平日あたりが、比較的落ち着いた時期として候補になりそうです。
もちろんこれらの数字は集計上の目安であり、荷物量や移動距離、依頼するタイミングによって実際の見積もり額は変わります。
正確な金額は、複数の業者に直接見積もりを依頼して確認してください。
複数の引っ越し業者に一度に見積もりを依頼できる一括見積もりサービスを使うと、狙い目の時期にどれくらいの金額になるかを短時間で比較しやすくなります。
一方で、依頼後に複数の業者から連絡が来るため、電話やメールのやり取りが増える点はあらかじめ想定しておくとよいでしょう。
繁忙期との差を、自分の引っ越しに当てはめて考える
ここまでの数字を整理すると、単身の引っ越しで比べた場合、2〜4月の繁忙期は50,600円、9〜10月の平均は37,600円で、その差は12,600円ほどになります。
2人暮らしでは、繁忙期60,300円に対して9〜10月は48,000円で、差は12,300円ほどです。
引っ越しを1回で数えると大きな金額ではないように見えるかもしれませんが、進学や就職、転勤のたびに引っ越しをする人にとっては、積み重なると無視できない差になります。
もし今のタイミングで住み替えを検討していて、繁忙期を避けられる余地があるなら、時期をずらすことで費用を抑えられる場合があります。
ただし、これらはあくまで集計上の平均値であり、実際の金額は荷物の量や移動距離、依頼する業者、当日の天候や交通状況によっても変わります。
「秋なら必ず安くなる」と決めつけず、あくまで目安のひとつとして参考にしてください。
秋に引っ越すときに確認しておきたいこと
時期を選ぶ以外にも、費用を抑えるためにできることはいくつかあります。
まず、複数の業者から見積もりを取ることです。
同じ条件でも、業者によって見積もり額に差が出ることは珍しくありません。
次に、荷物量を事前に整理しておくことです。
不要な家具や家電を処分しておくと、トラックのサイズや作業時間が変わり、見積もり額に影響することがあります。
見積もりの内訳も確認しておくと安心です。
段ボールの梱包資材、エアコンの取り外し・取り付け、洗濯機の設置といった作業が基本料金に含まれるのか、別料金になるのかは業者によって違います。
キャンセル料が発生するタイミングも業者ごとに異なるため、日程が確定していない段階で問い合わせる場合は、あわせて確認しておくとトラブルを避けやすくなります。
引っ越し先の家賃や更新料、火災保険といった契約に関わる内容は、必ず不動産会社や管理会社に直接確認してください。
秋は費用面でチャンスがある一方、第二の繁忙期という落とし穴もある時期です。
平均値をそのまま鵜呑みにせず、自分が動ける日程の中でできるだけ早めに複数の見積もりを比較することが、結果的に費用を抑える近道になります。
秋の引っ越しと合わせて見直したい固定費
引っ越しのタイミングは、引っ越し費用そのものだけでなく、新居の家賃や更新料、火災保険といった固定費を見直す機会にもなります。
- 契約時の条件で何年もの負担が変わる
- 補償内容や保険料は商品で差がある
家賃は毎月かかる固定費のなかでも金額が大きく、契約時の条件によってその後何年もの負担が変わってきます。
火災保険も、賃貸契約とあわせて加入することが多いものの、補償内容や保険料は商品によって差があります。
どちらも、契約書の内容を確認したうえで、不明な点は不動産会社や保険の専門家に相談することをおすすめします。
引っ越し費用を秋の閑散期で抑えつつ、新居の固定費も一緒に点検しておくと、引っ越し直後だけでなく、その後の暮らし全体の負担を見通しやすくなります。