引っ越しの「閑散期」は本当に9〜11月なのか

引っ越しの安い時期として「秋」がひとくくりに語られることがありますが、複数の引っ越し比較サイトの相場データを見ると、9月と10月・11月では事情が違います。

秋の3か月は同じ閑散期ではない
9月転勤や異動でやや高めになりやすい
10月異動ラッシュが落ち着く本当の閑散期
11月春の混雑もなく料金が下がりやすい

9月は転勤や異動にともなう引っ越しが増える時期で、通常期より料金がやや高めになりやすいという整理をしているサイトが複数あります。

一方で10月・11月は、9月の異動ラッシュが落ち着き、まだ春の繁忙期のような混雑もないため、閑散期として料金が下がりやすい時期にあたります。

つまり「9〜11月がまとめて閑散期」ではなく、「9月はやや繁忙期寄り、10月・11月が本当の閑散期」というのが実態に近い整理です。

これから秋に引っ越しを予定している方は、動ける日程に余裕があるなら10月以降にずらすことで、費用面のメリットを受けやすくなります。

この違いを知らずに「秋なら安いはず」と9月に日程を固定してしまうと、想定より高い見積もりに戸惑うことになりかねません。

秋の日程の決め方で変わること
9月に固定
  • 秋なら安いと思い込む
  • 想定より高い見積もりに
10月以降へずらす
  • 数週間ずらすだけ
  • 費用面のメリットを受けやすい

逆に言えば、勤務先の異動発表や賃貸の更新時期に合わせて動ける範囲であれば、あえて数週間ずらすだけで費用面のメリットを受けられる可能性があるということです。

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同じ荷物量でも月によって費用はこれだけ変わる

引っ越し比較サイトの相場データによると、単身の引っ越し費用は月ごとに大きな差があります。

単身の引っ越し費用、月ごとの目安
10月6万円台
11〜2月6万円台後半
3月14万円前後まで跳ね上がる

10月と3月の差は7万円を超える場合も。業者・地域・荷物量で変わる

目安として、10月は6万円台、11月・12月・1月・2月も6万円台後半という水準が並ぶ一方、進学や新生活が集中する3月は14万円前後まで跳ね上がるという整理がされています。

同じ荷物量、同じ距離の引っ越しであっても、時期を変えるだけで支払う金額が数万円単位で変わる可能性があるということです。

もちろんこの金額は業者や地域、荷物量、移動距離によって変わる目安の数字であり、必ずこの金額になるというものではありません。

ただ「繁忙期と閑散期でどれくらいの差が出やすいか」という感覚をつかんでおくと、見積もりを取ったときに提示された金額が妥当かどうか判断しやすくなります。

単純計算をしてみると、単身の引っ越しで10月の相場と3月の相場を比べた場合、差額は7万円を超える場合があります。

これは新生活家電をひとつ買い替えられるくらいの金額です。

もちろん引っ越し先までの距離や作業内容によって実際の見積もり額は変わりますが、時期を選べる立場にあるなら、この差額を意識するだけでも交渉や比較の基準ができます。

家族の引っ越しでも傾向は同じ

家族での引っ越しも、単身の場合と似た傾向が見られます。

家族の引っ越しで狙いたいタイミング
10月上旬平日は特に安くなりやすい
10月中下旬転勤需要でやや上がる可能性
11月10月に次いで抑えやすい

荷物が多いほど時期による金額の振れ幅は大きい

相場データでは、10月が最も安くなりやすく、11月もそれに次いで抑えやすい時期として紹介されています。

荷物量が多い家族の引っ越しほど、時期による金額の振れ幅は絶対額として大きくなりやすいため、日程を動かせるかどうかは事前に確認しておく価値があります。

一方で、9月から10月にかけては転勤にともなう需要が残っているため、月の前半か後半かによっても料金が変わる可能性があります。

10月上旬の平日は特に安くなりやすい一方、中旬から下旬にかけては転勤需要の影響でやや上がる可能性があるという解説も見られます。

日程が選べる場合は、月の中でもタイミングを意識すると良いでしょう。

家族の引っ越しは荷物量が多く作業時間も長くなりやすいため、業者によっては繁忙期にトラックや人員の確保が追いつかず、希望日に依頼できないこともあります。

閑散期であれば、日程の選択肢が広がるだけでなく、当日の作業を丁寧に進めてもらいやすくなる面もあります。

家族で動く場合ほど、時期をずらすメリットは大きくなりやすいと言えるでしょう。

なぜ10月・11月は安くなりやすいのか

10月・11月が閑散期になりやすい理由は、需要の谷間にあたるためです。

10月・11月が安くなりやすい3つの理由
春と秋の需要の谷間
需要新生活と転勤の波がどちらも落ち着く
余裕業者の日程や便に融通が利く
気候安定していて作業がしやすい

3〜4月は新生活シーズン、9月は転勤シーズンとそれぞれ引っ越し需要が集中しますが、10月・11月はどちらの需要も落ち着いたタイミングにあたります。

業者側も稼働に余裕が生まれやすく、日程や便(午前・午後)の融通が利きやすくなる傾向があります。

また、気候が安定していて作業がしやすい時期であることも、業者側の稼働効率に影響していると考えられます。

繁忙期は同じ日に依頼が集中して業者のスケジュールが埋まりやすいのに対し、閑散期は依頼の分散度が高く、平日や午後便を選ぶことでさらに料金を抑えられる余地が出やすくなります。

閑散期に動くときに確認しておきたいこと

閑散期を活かして費用を抑えるには、いくつか確認しておきたいポイントがあります。

閑散期に動く前の3つの確認
費用を抑える下準備
相見積複数社に希望日と条件を伝える
退去予告1〜2か月前が目安。契約書で確認
初期費用業者代とは別にかかる契約費用

まず、複数社から相見積もりを取ることです。

閑散期は業者側の日程調整にも余裕が生まれやすいため、希望日や条件を伝えたうえで比較すると、繁忙期より柔軟な提案を受けられる場合があります。

次に、退去予告の期間です。

今の住まいを退去する際は、契約書で定められた予告期間(一般的に1〜2か月前が目安とされています)を確認し、逆算して引っ越し日を決める必要があります。

予告が遅れると、住んでいない期間の家賃が発生するケースもあるため注意が必要です。

最後に、初期費用の内訳です。

敷金・礼金・仲介手数料・前家賃などの契約費用は、引っ越し業者の料金とは別にかかります。

時期をずらして業者費用を抑えられたとしても、契約費用の内訳まで含めた総額で比較することが大切です。

契約条件の詳細は、管理会社や不動産会社に確認しながら進めてください。

これらを踏まえると、閑散期を活かす動き方は「安い時期に合わせて全部を決める」のではなく、「動ける日程の中でいちばん条件のいいタイミングを選ぶ」という考え方に近くなります。

閑散期の活かし方は日程の選び方
避けたい考え方
  • 安い時期に全部を合わせる
近い考え方
  • 動ける日程の中で選ぶ
  • 契約書から逆算する

退去日や新居の契約開始日には調整の余地がある場合とない場合があるため、まずは今の契約書を確認し、いつまでに動けば閑散期のメリットを受けられるかを逆算してみると、計画が立てやすくなります。

まとめ

引っ越しの本当の閑散期は、9月ではなく10月・11月です。

秋の引っ越しで覚えておく3点
9月転勤シーズンでやや高い
10・11月単身も家族も抑えやすい
準備日程の候補を2〜3パターン用意

9月は転勤シーズンと重なりやすくやや料金が高くなりがちですが、10月以降は需要が落ち着き、単身・家族どちらの引っ越しでも料金を抑えやすい時期にあたります。

同じ荷物量でも時期をずらすだけで数万円単位の差が出る可能性があるため、日程に余裕がある方は、複数社の相見積もりと合わせて閑散期のタイミングを検討してみてください。

「秋だから安い」という漠然としたイメージのまま業者を決めるより、今回見た月ごとの傾向をふまえて日程の候補を2〜3パターン用意しておくと、見積もり交渉の場でも選択肢を持って臨めます。

今の住まいの契約内容と照らし合わせながら、無理のない範囲でいちばん条件のいいタイミングを探してみてください。