賃貸の更新のたびに届く更新料の請求書。
払うのが当たり前だと思っていませんか。
「更新料は賃貸に住んでいれば誰でも払うものだ」と思い込んでいる人は少なくありません。
実際には、更新料があるかないか、あるとしていくらなのかは、契約や地域によってかなり差があります。
国土交通省の住宅市場動向調査では、更新料がある世帯とない世帯の割合や、金額の分布までデータとして公表されています。
この記事では、その数字をもとに更新料の実態と、次の更新が来る前に契約書で確認しておきたいポイントを整理します。
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更新料がある世帯は45.8%、ない世帯も4割近く
国土交通省が公表している住宅市場動向調査(令和4年度、民間賃貸住宅編)では、賃貸住宅に住む世帯を対象に更新料の有無を尋ねています。
その結果、更新料がある世帯は45.8%でした。
一方で、更新料がない世帯も39.2%にのぼります。
半数近くが更新料を払っている一方で、4割近くは更新料自体が発生しない契約に住んでいるということです。
残りの世帯は、更新料の有無を把握していない、あるいは契約形態が異なるといった事情が考えられます。
「賃貸なら更新料は誰でも払うもの」というイメージを持っている人もいますが、実際には契約や地域によって扱いが分かれています。
自分の契約が更新料ありなのかなしなのか、契約書を確認したことがない場合は、この機会に見直してみる価値があります。
とくに、入居時に更新料の説明を受けた記憶が曖昧なまま何年も住んでいる人は、次の更新の前に一度確認しておくと安心です。
更新料の金額は家賃1か月分が最多
更新料がある契約のうち、金額はどのくらいが多いのでしょうか。
同じ調査では、更新料の金額について「家賃1か月分ちょうど」と答えた世帯が77.2%と、圧倒的多数を占めています。
次に多いのが家賃2か月分で約1割、1か月に満たない金額という回答も1割弱ありました。
つまり、更新料がある契約の大半は、家賃1か月分に集約されているといえます。
仮に家賃8万円の部屋で、2年ごとに更新料1か月分を払うとします。
10年間で更新は5回発生するため、単純計算で8万円×5回=40万円の負担になります。
もし更新料が2か月分の契約であれば、同じ条件でも負担は倍の80万円になる可能性があります。
反対に、更新料がない契約であれば、同じ10年間でこの負担自体が発生しません。
家賃だけを見て住まいを選ぶと見落としがちですが、更新料の有無や月数は、長く住むほど総支払額への影響が大きくなる項目です。
自分の契約書に書かれている更新料の月数を、一度確認しておくとよいでしょう。
更新料の有無は地域差が大きい
更新料は全国一律の制度ではなく、地域による慣習の違いが大きいことも知られています。
同じ調査では、神奈川県が90.1%と特に高い割合を示しており、地域によっては更新料がある契約がほぼ標準になっています。
一方で、大阪府や兵庫県、宮城県などは、更新料を取らない契約が一般的とされる地域です。
同じ賃貸でも、住むエリアによって更新料が発生するかどうかの前提が大きく異なるということです。
こうした地域差が生まれる背景には、その土地で長く続いてきた賃貸借の商慣習があるとされています。
全国一律のルールではないため、以前住んでいた地域の感覚をそのまま新しい地域に当てはめると、想定と違う契約に出会うこともあります。
引っ越しや住み替えを検討する際は、更新料の有無や相場もエリアごとに違うことを踏まえて、初期費用や住み続けたときの総額を比べてみてください。
同じ家賃の物件でも、更新料の有無次第で数年後の総支払額が変わることがあります。
更新料がない地域だからといって、更新のタイミングで一切費用がかからないとは限りません。
保証会社を利用している契約では、更新のたびに保証会社への更新料が別途かかる場合があります。
管理会社が設定する更新事務手数料が、更新料とは別に請求されるケースもあります。
つまり、貸主に払う「更新料」がゼロの物件でも、更新時に何らかの費用が発生する契約は珍しくないということです。
物件を探す段階では、更新料の有無だけでなく、更新時にかかる費用全体を不動産会社に確認しておくと、入居後の思い違いを防ぎやすくなります。
更新料は法律で一律に決まっているわけではない
更新料は、法律で金額や有無が一律に定められているものではありません。
賃貸借契約の更新については借地借家法に規定がありますが、更新料そのものの金額や徴収の有無は、個別の契約内容によって決まります。
つまり、更新料があるかないか、いくらなのかは、物件ごと・契約ごとに契約書で定められているということです。
不動産会社が仲介する契約では、契約前の重要事項説明で更新料の有無や金額について説明を受ける機会があります。
とはいえ、説明を聞いた時点では気に留めていなくても、実際に更新の請求が来て初めて金額を意識する人も多いのが実情です。
更新料条項の有効性については判例上の考え方が示されている場合もありますが、個別の契約が有効かどうかの判断は、契約書の文言や状況によって変わります。
法律解釈にかかわる部分は一般論にとどめ、疑問がある場合は契約書を確認したうえで、管理会社や不動産会社、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
更新のタイミングで確認したいポイント
次回の更新が来る前に、確認しておきたいポイントを整理します。
1つ目は、契約書に更新料条項があるかどうかです。
条項がなければ、更新料を請求される根拠自体が乏しいと考えられます。
2つ目は、更新料の金額が家賃の何か月分と定められているかです。
先ほど見たとおり1か月分が最多ですが、2か月分の契約も一定数あります。
3つ目は、更新料以外にも更新事務手数料や保証会社の更新料、火災保険の更新料など、別枠の費用がないかです。
これらは更新料とは別の性質の費用として請求されることがあり、更新のタイミングでまとめて発生するケースもあります。
契約書が手元にない場合や、条項の読み方に迷う場合は、自己判断で結論を出さず、管理会社に問い合わせてみてください。
更新のタイミングは、家賃や保証料、火災保険もあわせて見直せる数少ない機会でもあります。
更新料を含めた負担がどのくらいになりそうかを把握したうえで、今の住まいを続けるか、住み替えを検討するかを考えてみるとよいでしょう。
まとめ
国土交通省の住宅市場動向調査によると、更新料がある世帯は45.8%、ない世帯は39.2%と、住んでいる契約によって扱いが分かれています。
更新料がある場合の金額は、家賃1か月分が77.2%と最も多く、神奈川県のように9割近い地域がある一方、更新料を取らない慣習の地域もあるなど、地域による差も大きいことが分かっています。
更新料は法律で一律に決まっているものではなく、契約書の内容次第です。
次の更新が来る前に、自分の契約書で更新料の有無と金額を確認し、疑問があれば管理会社や専門家に相談しながら進めてみてください。